人心地 -JOHNSMEDLEY-
2017.3.23
出来ることが多くなったのか。
何かをしなくてはいけなくなったのか。
水の流れのように正しさを求めている。
アイルランドには家のものに編んでもらうニットが、
航海の無事を、子供の成長を、人生を見守る習慣がある。
旅に出るのものも、それに適った編地があるとか。
オートメーションが進んだ近代工業製品、
著しく効率化を早めた結果が
「何かをする必要がない」「手間いらず」といった、
早く物事を終えることにあり、短縮することに意味を持たせている。
しなくてもよくなったの果てに、その時間で他の何かを
しなくてはいけなくなったのではないのか。
フルオートのクリーナーをかける代わりにテレビを見なくてはいけないし、
オーブンレンジが加熱する間にチルアウトしなくてはならない。
形態安定シャツのためにジャズとプレスのあたえる時間を失った。
出来ることが多くなった代わりに出来なくなったことも沢山ある。
そのひとつが人心地なのだと思うわけです。
ふわりとした柔らかさを思い出させてくれるニットは、
それを埋めるには十分な触れ心地。
最も古く、最も上質なファインゲージニットはダービーシャーから、
家族という最も信頼のおけるつながりから生まれている。
ハリスツイードと並んでイングランド最古の「John Smedley」
の商標が紡ぐのは、ファッションというよりも真性という完全かもしれない。
築き上げた歴史とは手作業と、
その時代の編み機の革新による最高品質を保持するという
姿勢だと言ってもいいと思います。
ロイヤルワラントに裏付けされた手仕事の技術と、
機械という道具を心地よくつなぐのも、また人と人の糸でしょう。
1950年代に導入されたS.A Monk社製の編み機が代々の職人の手に大切に扱われ、
現在も使用されていることが何よりのつながりだと感じます。
John Smedleyのニットには何のギミックもありません。
私たちが持っているのは、色とサイズだけ。
個人に合ったサイズはやはり唯一のもの。
結局のところ、色をみるという一点につきます。
何かを出来るように/出来ないようになったと思うことと同じで、
複雑すぎる分岐点は無限のゼロのようなもの。
色を選択するという簡単なことも、
今の私たちには難しいことのひとつかもしれません。
その難問の向こう側に明かされた真実に、私たちが人と風土、
流れる時間とのつながりを取り戻せることがあるように思います。
目まぐるしく進み続ける世界を上手に追従することも自由思想の担い手。
しかし、それでも、
受ける側が目を高くし、広きを見、そのままの速度で価値を捉えることが
失われつつある現代で、偉大な非協調は遅鈍なままの感性なのかもしれません。
高価で何の変哲もないニット。
それもまた一つ。
ですが、普遍という意思を、
人心地に想いを馳せ袖を通してみれば、
それは味わい深いものに変わるのでないでしょうか。
175cm 65kg 肩幅ガチムチ。
Mサイズでジャストでした。
JOHN SMEDLEY HATFIELD / 4colors 23,760円(税込)
はこちらからご覧いただけます。
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