【ALDEN オールデン】隠れた名革「キッドレザー(山羊革)」
2019.8.4
こんにちは。鈴木です。
秋冬続々と入荷中でございます。ご紹介しなくてはならないものが増えてきております。
順次ご紹介いたしますのでしばしお待ちくださいませ。
では早速、本日ご紹介するのは先週に続きALDEN(オールデン)。新入荷品番です。
ALDEN(オールデン)に詳しい方は「53711」かな?でもライニングのカラーが違うし、革の雰囲気も何か違うな、と。
実はこれ、53711の「ドレスカーフ(ボックスカーフ)レザー」を「キッドレザー(山羊革)」に変更したモデル。品番は「53719」。
「キッドレザー」と聞いてピンと来た方は相当な靴好きか、かなりのエクスプローラー好き(笑)かと。
というのも当店では2014年に1型、2015年に1型、2016年に4型とキッドレザーで別注展開させていただいた経緯がございます。
そう、エクスプローラーには非常にゆかりの深いレザー。勿論、それだけ「キッドレザー」で別注するのには明確な理由があります。
キッドレザーについては後程じっくりとご紹介させて頂きますのでまずは全容をご紹介。
木型は379X(通称ミリタリーラスト)を使用しております。
1940年代の第二次世界大戦時に開発。実際にアメリカ軍の将校や一般兵士にドレスユニフォーム用として支給された靴に使われていました。
軍靴用の木型で、長時間履いて歩き回っても疲れないよう設計されています。また、様々な足の形にあうように設計された万能な木型。
クセのないすっきりとしたフォルムで汎用性も高く履きやすい木型です。
何よりも軍用靴がルーツと聞くだけで男心がくすぐられます。
横から見ていただくと一目瞭然ですがフィット感を高める為に甲が低め。
加えて、土踏まず部分がくびれていて、程よいアーチシェイプも特徴的。
甲周りと土踏まずで足をホールドして履く、オールデンの理念が活かされた木型でもあります。
それでいてつま先部分には適度にゆとりを持たせてあり、足指周りは快適に履けるようになっています。
ミリタリーラストはヒールカップ(踵部分)が小さくホールド感が高いのも特徴です。
これは踵が引っかかる分、脱げにくいという事にも繋がります。
総合的に見ると、ミリタリーラストは甲周り、土踏まず、踵部分はフィット感は高いけれどつま先部分は適度にゆとりのある木型という事が分かります。
長時間履いて、歩き回っても疲れにくいという実用性を最重要視した軍用靴の木型ならでは。
ソールはウォーターロックシングルレザーソール。名前は長いですが特殊な液体を染み込ませたレザーソールという意味。
オールデンの工場内で特殊な液体に浸し、柔軟性と耐久性を強化したレザーソール。
通常のレザーソールよりも水に強い上に、返り、反りもよく屈曲性に富んでいるので歩きやすい特徴があります。
ソールにボリュームも出すぎないのでカジュアルなスタイルから小奇麗なスタイルまで万能に使えます。
レザーソールの靴を履く際に気にされる方も多い「歩行時に滑りやすい」という事実。
オールデンの一部のモデルは上記のようにヒール部分がラバー仕様になっています。
歩行時に最初に接地する踵部分がラバーの為、滑りにくい設計。非常にありがたい仕様です。
大変お待たせいたしました。それでは一番重要なレザーのご説明に。
本日ご紹介の「53719」のアッパー部分に使用されているのはキッドレザー(山羊革)。
なぜキッドレザーがオススメなのか?まずは私の実体験も交えながらご紹介。
2014年に購入したキッドレザーのオールデン。
革の存在は知ってはいましたが実際に履いたことはなく、ヴィンテージのサービスシューズのような革の雰囲気に魅せられて購入。
履いてみたところ今までにない衝撃を受けました。履き始めから快適そのもの。
いくらオールデンが履き心地最高とはいっても、履き始めのレザーシューズは革が馴染んでいないので痛くて当たり前。
なのにこのキッドレザーは履き始めからすこぶる快適という体験をしてしまったのです。
それ以降、私のオールデンのローテーションでは常にナンバー1の存在をキープしています。
そんな体験もあり、2015年の「エクスプローラーワークス」のオープン記念別注でこのキッドレザーのブラウンを展開。勿論、購入。
その後も「キッドレザー」で4型同時に別注をするなど私の「キッドレザー熱」は収まるところを知らず。
そして、今回久しぶりにキッドレザーのオールデンが入荷した事により「キッドレザー熱」が再燃。
結果、本日の長い長いブログになっている訳でございます・・・。
キッドレザーは薄くてしなやか、それでいて耐久性も高いという特徴があります。
表面の細かいシボや毛穴が古着屋にあるヴィンテージのサービスシューズを彷彿とさせる雰囲気。
履きこむと細かいシワの入り方も独特でカッコイイんですよね。
オールデンの代名詞の「コードヴァン」や定番の「カーフ」もいいんですが是非皆様にこのキッドレザーを体験して頂きたく。
全く欠点がなさそうな「キッドレザー」。そんな万能なレザーがある訳ありません。
このレザー、丈夫な割には通常のカーフよりも薄い為、職人泣かせのレザーなんだとか。
縫い合わせ部分やかかと周り、つま先などは生産時にシワが寄り易い為、作るのが難しいようです。
高い技術があってこそ生産される珠玉の逸品なのです。
長くなりましたが本日ご紹介したオールデンの53719のプライスは95,000円(税抜)。
決して安くはありませんが長年履くことを考えれば必ず元は取れます。
逆にこのタイプは買い逃して後から欲しいと思っても手に入らない可能性の方が高いですからね。
実店舗は両店舗ともに展開がございます。気になった方は是非店頭まで。
しっかりとご説明、サイズ計測からオススメのサイズのご案内、フィッティングをさせて頂きます。
遠方の方は下記当店のオフィシャルオンラインからご覧いただけます。
【ALDEN】KID LEATHER MILITARY LAST PLAIN TOE 53719 – BLACK←クリックor タップ
ご不明点やサイズのお問合せは下記からお気軽にどうぞ。
ちなみに今回のこのキッドレザー、当店の別注ではございません。日本の代理店のラコタさんの別注品番。
他店様でも展開はあるかと。。。
店頭にはスタッフ私物のエイジングサンプルも多数ご用意しておりますのでオールデンに関するご相談はお気軽にどうぞ。
来週は私の大好きな「EAST HARBOUR SURPLUS(イーストハーバーサープラス)」をご紹介させて頂きます。
既に店頭でも好評なパンツから。
めっちゃカッコイイので楽しみにお待ちください。店舗のお近くにお住まいの方は是非店頭でご覧ください。
お時間、ご興味ございましたら下記の1年前の私のブログ記事をご覧頂き予習していただければと。
2018年7月28日 2018秋冬1stデリバリー【East Harbour Surplus(イーストハーバーサープラス)】←クリック or タップ
それでは。
鈴木