日本のダウンのパイオニア【ZANTER JAPAN(ザンタージャパン)】の旧南極観測隊リメイクジャケット
2019.12.15
こんばんは。鈴木です。
当店取り扱い4年目に突入した日本で初めてダウンジャケットを作ったブランド「ザンタージャパン」。
60年以上に渡り南極観測隊にウェアを供給しているというブランド背景。分かりやすく凄くないですか?
海外ブランドで例えるとカナダグースのような存在。カナダグースは今でも南極観測隊へ供給しているかは未確認ですがザンターさんは現在進行形。
とはいえ、まだまだ知らない方も多いと思いますので本日はブランドのご紹介と共に背景までしっかりとご説明いたします。
本日ちょっと長くなります。最後までお付き合い頂けますと幸いです。
宜しければ過去ブログもご参照ください。重複する内容もございます。ご了承ください。
2018.12.16 ZANTER(ザンター)20年前の復刻モデル「FIELD INNER VEST」
2018.11.25 【ZANTER JAPAN(ザンタージャパン)】クソ真面目なダウンジャケット。
2016.12.11 FW16 私的オススメアイテム Vol.10 「ZANTER(ザンター)のDown Parka WP」
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1951年日本がまだ戦後まもなく占領下にあった頃。復興の歴史を刻み始めるのと時を同じくして、国内で最初のダウンウェアメーカーとして誕生。ブランド名のザンターは「山を登る人」をイメージして名づけられました。「余暇を楽しむ余裕などなかったその時代においても軽く暖かい本格的な登山服をわれわれ日本人の手で作りたい」という強い想いが込められています。60年に渡り、南極観測隊へダウンウェアを供給し続ける経験と信頼厚きブランドです。一貫して国内作業に拘った日本製。神奈川県の自社工場、及び国内の提携工場で熟練の職人の手によって一着一着生み出されている逸品です。ダウンの精毛技術の高さから必要以上にダウンを充填しなくても十分な保温性と膨らみが出ます。それによって重い生地を使っても全体の重量は一般的なモノよりも軽く仕上げることが出来るのも特徴の一つです。ザンターというブランドは長きに渡り高い精毛技術により羽毛布団を作り続けている東洋羽毛工場株式会社のウェア部門として発足したのが始まりです。
同ブランドに関して詳しくお伝えしたいのは主に下記3点。順にご説明いたします。
1.日本で初めてダウンジャケットを作った会社。
2.拘った結果、中国産のグレーダックダウンを使用。
3.一度精毛されたダウンを国内で「再精毛」。
1.日本で初めてダウンジャケットを作った会社。
1951年日本がまだ戦後まもなく占領下にあった頃。日本の復興とともに歩みを始めたのが「ザンター」。
日本で初めてダウンジャケットを作ったブランドというだけでもかなりポイント高いですよね。
そして60年以上に渡り、日本の南極観測隊へウェアを供給している事実。この歴史と事実の重みは心に響きます。
製品そのものが「確かなモノ」であるという確固たる証拠でもあります。
半ば国の仕事に近い内容だけにそれを営利目的の宣伝としてあまり謳ってこなかったという会社の姿勢にも共感。
昨年もお伝えしましたが私、この仕事を20年ほどしておりますが4年前まで恥ずかしながらザンターの存在を知りませんでした。
日本で初めてダウンジャケットを作り、それ以後、60年以上に渡り南極観測隊へウェアを供給し続けている会社なのにです。
もっと世の中に周知され、世界的に評価されてもおかしくないブランドの一つなんです。
2.拘った結果、中国産のグレーダックダウンを使用。
皆様の「いいダウン」の基準ってなんですか?
よく見かける「ヨーロッパ産のピュアホワイトグースダウン」。字面や響きは凄いいいイメージを受けます。
ヨーロッパでは一般的にダウンジャケットに使われる羽毛は中ヒナ(生後45日以内で食肉用に飼育される鳥)の羽毛がほとんど。
ヨーロッパでは柔らかい肉を好んで食べる食文化から成鳥になる前の段階で殺されてしまいます。
最近では更に短い期間で殺されてしまうとも言われています。
その際に副産物として採れるのがダウンジャケットに使われる羽毛。人間でいえば赤ちゃんの産毛。繊細で柔らかく、切れ易く摩擦に弱い毛。
これが俗にいう「ヨーロッパ産のピュアホワイトグースダウン」だとします。
それに対して「中国産のグレーダックダウン」はどうでしょうか?
ザンターの使う中国産の「グレーダックダウン」は生後90日以上経った成鳥の毛。
自然環境でのびのびと大きく育った成鳥から採取しています。
何故かというと中国では硬い肉を食べる食文化が存在するから。その為、成鳥になるまで待ってから採取する訳です。
人間でいえば大人の毛です。羽枝が密生しダウンボールが大きい為、型崩れが少なく、空気を沢山取り込む事ができる特徴があります。
保温性、反発性、耐久性に優れた羽毛という事です。
その為、少ない量でしっかりと温度を保つ事ができ、ダウンジャケットの中での羽根同士や生地との摩擦にも強いんです。
必要以上にダウンを充填しなくても十分な保温性と膨らみが出ます。
上記のような理由からダウンジャケットに使うダウンとしては中国産のグレーダックダウンが最適という観点。
言葉の響きやイメージではなく本質的な部分をしっかりと考慮して使用するダウンを選定した結果。
3.一度精毛されたダウンを国内で「再精毛」。
一般的に日本国内生産のダウンジャケットに充填されているダウン(羽毛)は海外からの輸入が殆ど。
その羽毛は輸出される前に既に精毛工程を終えています。
ザンターでは輸入した精毛済みの羽毛を再度「精毛」します。
「精毛」というのは水鳥から採取した原毛から不純物を取り除き、洗浄、殺菌等をする事。
ザンターでは60年に渡り羽毛布団を製造してきた国内工場の最新の機械、技術を使い、精毛しています。
この精毛を行っているのが「東洋羽毛工業株式会社」という会社。
実はこの東洋羽毛工業株式会社のウェア部門として発足したのが「ザンター」の始まり。
驚く事に日本での再精毛の段階で老廃物や不純物が10%程出ているという事実。
という事は国内で再度精毛しなければ本来は取り除かれるべきモノが入ったままダウンジャケットに入るという事です。
老廃物や不純物が入った状態でダウンジャケットを長年使用すると匂いを発したりする事も。
酷い時には着用によってアレルギー反応が出てしまう方もいます。
精毛する機械を動かすにもお金はかかります。10%も減ると分かっていて精毛するという事は更なるコスト増にも繋がります。
実際に販売するダウンジャケットは中身までは見えない「ブラックボックス」。
なのに手間とコストをかけて再度精毛します。誠実で真面目なモノ作りをしています。
以上が出会ってから4年経った今も変わらずに「ザンタージャパン」を皆様へご提案し続ける確固たる理由です。
凄い会社であり、ブランドなんです。以後お見知りおきを。
それでは本題のジャケットのご紹介をさせて頂きます。
ザンタージャパンの定番の1型「旧南極観測隊リメイクジャケット」です。
こちらのモデルはリリースから今年で3年目。定番的な人気を誇る逸品。
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実際に南極観測隊へ供給していたジャケットのデザインを踏襲してタウンユースにアレンジしたモデル。
その為、本物のギアが持つ武骨な雰囲気を持ちつつ着やすいサイズ感にアレンジされています。
着用するとこんな感じ。172センチ58キロでMサイズを着用。
すっきりとしたシルエットでダウンジャケットの難点でもある「着ぶくれ」する印象はありません。
着丈も長すぎず、短すぎずスタイリング、コーディネートを選ばずに着れます。
例えば、カジュアルの王道の少し太目のデニムでも、
ちょっと小奇麗にウールのトラウザーでも、
がっつり太目の軍パンでも、
デニムにブーツの永遠のアメカジコーデにも、
といった感じでスタイリングの幅が凄く広いダウンジャケットです。すっきりとしたシルエットと着丈のバランスが絶妙だから。
デザイン自体は本気の南極観測隊が着ていたギアをアレンジしたものなのでシンプルで完成された機能美。
ディテールはというと。
スナップは全てレザーを挟み込んで補強が施されています。
ジップは裾部分をボディに縫い付けずに開閉しやすい工夫。
サイドからもアクセス可能なポケット。嬉しい仕様です。
フラップはボタンで留める仕様。ポケットのステッチワークもポイントに。
表地はベンタイルコットンを使用し天然素材の粗野な雰囲気を残しつつ撥水性も確保。経年変化や退色も楽しめます。
一般的にはコットンの表地を使ったダウンジャケットはもっと重いのですがザンターの特徴ともいえる軽さに驚きます。これは良質なダウンを使う事によって必要以上にダウンを充填しなくても保温性が確保できる事から成せる技。
冒頭でもご説明しましたが長く着れるのもザンターのダウンの特徴でもあります。
メーカーさん曰く、中のダウンが経年の劣化でヘタレる前に表の生地がダメになる可能性の方が高いと。
これだけの拘りと安心安定の国内生産。そしてこのプライスですからね。オススメ以外のなにものでもありません。
流行り廃りとは無縁の至極のダウンジャケットです。
本日ご紹介の旧南極観測隊リメイクジャケットは下記オンラインでご覧頂けます。下記からどうぞ。
□ネイビー
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□オリーブ(カーキ)
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サイズやご不明点あれば下記からお気軽にお問合せ下さい。
もしオンライン上で在庫がなくなっていても随時メーカーさんに追加をかけていますので一度当店までお問合せ下さい。
実際、本格的に寒くなるのはこれから。本当に必要になった時に買えなかった・・・という事のないようお気を付けください。
鈴木