【ZANTER JAPAN(ザンタージャパン)】クソ真面目なダウンジャケット。
2018.11.25
こんにちは。鈴木です。
さて、急にダウンが欲しいと思える寒さになってきましたね。
早速ですが今年取り扱い3年目になる国産のダウンブランド「ZANTER JAPAN(ザンタージャパン)」をご紹介。
昨年、一昨年とご紹介させて頂いておりますが今年ももれなくご紹介。
過去のブログとかなり重複する内容、加えて写真は使いまわしもございます。お許しください。
下記、過去にご紹介したブログ記事になります。合わせてご参照くださいませ。
2017.11.23 ”ZANTER – 旧南極観測隊リメイクジャケット”←クリック or タップ
2016.12.11 ”FW16 私的オススメアイテム Vol.10 「ZANTERのDown Parka WP」”←クリック or タップ
最初にお断りしておきます。今日のブログめっちゃ長いです。
それぐらいお伝えしたいことが多すぎてしまい。
まずはブランド紹介をご覧ください。
ZANTER JAPAN /ザンタージャパン
1951年日本がまだ戦後まもなく占領下にあった頃。復興の歴史を刻み始めるのと時を同じくして、国内で最初のダウンウェアメーカーとして誕生。ブランド名のザンターは「山を登る人」をイメージして名づけられました。「余暇を楽しむ余裕などなかったその時代においても軽く暖かい本格的な登山服をわれわれ日本人の手で作りたい」という強い想いが込められています。60年に渡り、南極観測隊へダウンウェアを供給し続ける経験と信頼厚きブランドです。一貫して国内作業に拘った日本製。神奈川県の自社工場、及び国内の提携工場で熟練の職人の手によって一着一着生み出されている逸品です。ダウンの精毛技術の高さから必要以上にダウンを充填しなくても十分な保温性と膨らみが出ます。それによって重い生地を使っても全体の重量は一般的なモノよりも軽く仕上げることが出来るのも特徴の一つです。ザンターというブランドは長きに渡り高い精毛技術により羽毛布団を作り続けている東洋羽毛工場株式会社のウェア部門として発足したのが始まりです。
日本で初めてダウンジャケットを作ったブランドです。これだけでもかなり凄い事。
アメリカで言う所の「エディーバウワー」ですよね。あそこはアメリカだけでなく「世界初」ですが。
私、この仕事を20年近くしておりますが3年前までザンターを知りませんでした。勉強不足でスイマセン。
日本で初めてダウンジャケットを作り、それ以後、60年以上に渡り南極観測隊へウェアを供給し続けている会社なのにです。
カナダグースがそうであるようにザンターは日本の南極観測隊へ長年に渡りウェアを供給しているんです。今でも。
もっともっと有名でもおかしくないですし、むしろもっと評価されて欲しいブランドの一つです。
私の思う、ザンターの魅力。それは「ダウンへの拘り」です。ダウンジャケットの中身です。
ザンターのダウンジャケットの中に入っている羽毛は「中国産のグレーダックダウン」です。
いいダウンジャケットとなるとよく聞くのは「ヨーロッパ産のピュアホワイトグースダウン」だと思います。
では何故、中国産のグレーダックダウンを使うんでしょうか?
ヨーロッパでは一般的にダウンジャケットに使われる羽毛は中ヒナ(生後45日以内で食肉用に飼育される鳥)の羽毛がほとんど。
その為、ヨーロッパでは柔らかい肉を好んで食べる食文化から成鳥になる前の段階で殺されてしまいます。
最近では更に短い期間で殺されてしまうとも言われています。
その際に副産物としてとれるのがダウンジャケットに使われる羽毛。人間でいえば赤ちゃんの毛。繊細で柔らかく、切れ易く摩擦に弱い毛。
ザンターの使う羽毛は生後90日以上経った成鳥の毛。自然環境でのびのびと大きく育った成鳥から採取しています。
何故かというと中国では硬い肉を食べる食文化が存在するから。その為、成鳥になるまで待ってから採取する訳です。
人間でいえば大人の毛です。羽枝が密生しダウンボールが大きい為、型崩れが少なく、空気を沢山取り込む事ができる特徴があります。
保温性、反発性、耐久性に優れた羽毛という事です。
その為、少ない量でしっかりと温度を保つ事ができ、ダウンジャケットの中での羽根同士や生地との摩擦にも強いんです。
そいういった理由からザンターでは中国産のグレーダックダウンを使用しています。
現状使えるダウンの中ではダウンジャケットには最適、最強との判断。
イメージだけにとらわれる事なくモノの本質を見極めた選択。
更に、その羽毛の精毛のお話。
水鳥から採取した原毛から不純物を取り除き、洗浄、殺菌等をするのが「精毛」。
ザンターでは60年に渡り羽毛布団を製造してきた国内工場の最新の機械、技術を使い、精毛しています。
この精毛を行っているのが「東洋羽毛工業株式会社」という会社。
実はこの東洋羽毛工業株式会社のウェア部門として発足したのが「ザンター」の始まりです。
一般的に日本国内生産のダウンジャケットに充填されている羽毛は海外からの輸入が殆ど。
その羽毛は輸出される前に既に精毛工程を終えています。
ただ、ザンターでは輸入した精毛済みの羽毛をもう一回日本で精毛します。
驚く事に日本での再精毛の段階で老廃物や不純物が10%程出ているという事実。
という事は国内で再度精毛しなければ取り除かれるべきモノが入ったままダウンジャケットに入るという事です。
老廃物や不純物が入った状態で長年使用すると匂いを発したり、酷い時には着用によってアレルギー反応が出てしまう方もいます。
精毛する機械を動かすにもお金はかかります。10%も減ると分かっていて精毛するという事は更なるコスト増にも繋がります。
実際に販売するダウンジャケットは中身までは見えないのですが手間とコストをかけて再度精毛します。
本当に誠実で真面目なモノ作り。
私がザンターさんと出会って、色々と知っていく中で一番感心したのは上記のダウンへの拘りでした。
そこまでするんだなと。実直で真面目なブランドの姿勢に感動すら覚えました。
大袈裟だと思われるかもしれませんが本当に素晴らしい事だと思います。
ここまで色々と勉強させて頂けたのもザンターさん協力の元、昨年開催した店頭イベントが大きく影響しています。
実際にマナスル遠征隊が着用していた貴重なウェアを展示。本当に博物館クラスの貴重な品です。
当時の書籍や、
実際にダウンジャケットの中に入ってるダウン(羽毛)の現物を何種類も展示させて頂きました。
ハッキリ言ってブラックボックスと言っても過言ではないダウンジャケットの中身。
私は実際に色々な種類のダウンを目の当たりにして触ったのはこの時が初めて。
写真やウェブなどで見たことはあっても実際に手に取って触って、比べたのは生まれて初めてでした。
普通の洋服ブランドとして展開している会社さんでは絶対にできない貴重な体験。
今年はやらないのかって?
ええ、今年も開催しますよ「ザンター博物館」。私が昨年開催時に勝手に命名しました(笑)。
12月8日、9日の2日間を予定しております。両日はザンターの担当の方も店頭に。貴重なお話を直接聞ける機会。
12月8日と9日は予定開けておいてくださいね。歴史に触れる貴重な機会ですからね。
本当に貴重な資料などをお借りするのでイベントは担当の方がいらっしゃる2日間のみです。
また日時が近づいて来たら改めてご案内させて頂きますね。
と、随分と長くなってしまいましたが商品の紹介へ。
代表的なモデルの「WP」。3色展開。ベージュは新色です。
DOWN PARKER WP-H – BLACK←クリック or タップでオンラインショップへ
DOWN PARKER WP-H – KHAKI
DOWN PARKER WP-H – BEIGE←クリック or タップでオンラインショップへ
そして昨年リリースされた「旧南極観測隊リメイクジャケット」。昨年の2色(ネイビーとオリーブ)に加えて新色ブラックが登場します。
旧南極観測隊リメイクジャケット – NAVY←クリック or タップでオンラインショップへ
旧南極観測隊リメイクジャケット – KHAKI←クリック or タップでオンラインショップへ
廃番が決まっている「 3 LAYER NYLON HOOD COAT 」。2色展開。
3LAYER NYLON HOOD COAT BLACK
3LAYER NYLON HOOD COAT BEIGE
こちらのコートは現在メーカーさんに在庫がある分で廃盤が決まっております。
ブラックのMサイズは当店ではラスト1枚です。お早目に。
スタイリッシュな雰囲気の「 DOWN GILET 」。ネイビーのみの展開です。
DOWN GILET – NAVY
ラインナップの中でも特にお勧めなのが「旧南極観測隊リメイクジャケット」。
雰囲気もさる事ながら、サイズ感が抜群。私でMサイズでこんな感じ。
最近お気に入りのガンホーのダックのパンツに合わせてアメカジ風にスタイリング。
ダウンもパンツも往年のアメリカンカジュアルテイストですがサイズ感で今っぽいアメカジスタイルに。
週末入荷予定のネイビーと新色のブラックも楽しみで仕方ないですね。
新色といえば「WP」の新色のベージュもいい感じ。
レッドウィングに合わせてアメカジテイストに。
クラシックなアメリカンアウトドアな雰囲気も今また新鮮でイイですよね。
ザンターは小奇麗なスタイリングでも使えますがカジュアルな雰囲気でも全然オッケー。
気負わずガシガシ着れるのもいいところ。
急に寒くなって本格的に冬のアウターをお探しの方はぜひ選択肢に入れて頂ければと。
その他ブランドのダウンや冬アウターも色々と取り揃えておりますので是非ご試着にお越しください。
ノースアメリカンフェアもお忘れなくっ!
鈴木
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