音楽と映画とファッションとオタク。
2016.12.5
パンクロックという音楽をご存知だろうか。
知らねえよそんなもん、と思う方も多いかと思う。
パンクスだったとは言え「パンクって何?」
という問いに明確に答えるのは難しい。
そもそもパンクとはその音楽を形容する言葉ではなく、
個人の性質や生き方ベクトル、ファッションスタイル等を
ひっくるめた非常に曖昧な定義の上に成り立っていて、
とても自由で繊細でめんどくさいもの。
強いて言うなら、怒りや嫉妬、反骨精神などから産まれる
エネルギーを言動力としたもの、と言った感じか。
↑それぞれ想いがあるので、パンク好きに上記の内容を伝え、
こういうことでしょ?みたいのは精神衛生上やめたほうがいいよ。
多分メンドクサイ。
ご存知の通り、イングランドはフットボール発祥の地であり、
それと同時にパンクの聖地でもある。
どちらも若者や労働階級を中心に支持されてきた70年代を代表する
ユースカルチャーであり、お互い影響を与えあってきたもの。
どこが?と思う方もいるかと思うので簡単に説明するけど、
サッカーの応援でピョンピョン飛び跳ねてる見たことないですか?
ヤク中で楽器を殆ど弾けず、取り合えず客をベースで殴っていた
イカれた逸話ばかり目立つベーシスト、シド・ヴィシャス。
彼らのライヴ映像をyoutubeなどでご覧いただければ分かると思うが、
心なしか目がイった野郎どもが飛び跳ねているのが確認できると思う。
これは「ポゴダンス」と呼ばれる当時パンク界隈で流行したモッシュの
ひとつで、シド・ヴィシャスが発明したとか。
応援での飛び跳ねる行為は元々はパンクのモッシュとも言われている。
他にも、Cock Sparrer の「England Belongs To Me」、
Blitzの「Someone’s Gonna Die」、Stiff Little Fingersの「Back To Front」
などはフットボールの場面でたびたび登場する曲だし、
それらを集めたパンクのコンピアルバムもいくつか存在する。
サッカーは好きだけど、パンクは全然なんて方も知らず知らずのうちに
パンクの影響下だったりするわけです。
パンクファッションを語ろうと思うと、必然的に音楽もついてくる。
最初にも少し説明したが、ハードロックとかプログレなんかの長尺、
技術力重視のロック全盛時代にメンドクサイ音楽やってんじゃねえ!
ってことで出てきたのがパンクロック。と思ってください。
アメリカのラモーンズの服や音楽もカッコイイし、
パンク大好きオタクはダムドやクラッシュの名前挙げて通ぶるけど、
ロンドンを一瞬でひっくり返したピストルズの革命感はハンパない。
ヴィヴィアン・ウエストウッドが衣装を提供し、
マルコム・マクラーレンがプロデュース。
後にパンクファッションはモヒカンやら鋲だらけの
レザージャケットやらだんだん過激な方向へ向かいます。
オレパンクダカラとか意味不明なこと言って、
国家権力上等してはダメだよ。
日本でもたまに裏向きにピースして写真撮ってる人いるけど、
イギリス辺りではFxxKの意だから気をつけようね。
Explorerはパンク関係ないじゃんと思われそうだが、
ヴィヴィアンがガッツリとプロデュースしていた初期ピストルズの衣装は
テディ―ボーイの流れを受けた、イギリストラッドの要素をうまく
ぶっ壊したスタイルだったりします。元々はトラッド要素があるんです。
ピストルズと言えばシドがいた頃がビジュアル的に有名だけど
グレン・マトロックだった頃は音楽的にもファッション的にも洗練されていてオススメ。
ここまで言っておいてなんだけど、特別ピストルズが好きではない。
国歌と同じ曲名の「God Save The Queen」で「この国に未来はない」と
歌っているのは最高にパンクだなとは思うけど。
日本で同じことをやれば表舞台に出る前に消されそう、色々と。
この流れでいつも映画を紹介するのだけど、今回は本当に迷った。
いいのがない。
「シドアンドナンシー」でも見ればいいじゃんと言いたいとこだが、
シド信者じゃないからアレは違う。
という訳でコレ↓
「PUNK’S NOT DEAD」
この映画はパンクの歴史を描いたものではなく、
あくまで「いまパンクがどうなっているのか」ということ。
パンクがいかにアンダーグランドからメインストリームへと浮上したか、
いかに受け入れられるようになったか。
その一方で、今日も不可欠なアンダーグラウンドシーンが
存在しているかを描いた作品。
「パンク?セックス・ピストルズでしょ」 「いや、むしろクラッシュだろ」
「ランシドに決まってるじゃん」 「パンクと言えばグリーンデイ」
「一番好きなパンクバンドはSUM41」
「メジャーシーンにパンクはいねえよ」
100人に聞けば100通りの答えが返ってくるであろう、
正解なき「パンクとは?」という問い。
ただ、
「自分のやりたいようにやる」というDIY精神が
パンクの源であることを思い起こさせてくれる作品。
ロック好き等を自認するのであれば、機会を作って
一度この映画に身を投じてみてほしい。
人生を揺るがすパンクの精神が存在し、
ロックの歴史に自浄作用をもたらしている事実に思い馳せれば、
音楽ライフが一段と充実するかと思います。
個人的には誰がパンクでパンクじゃないとかは、どうでもいいっす。
ゴットファザー・オブ・パンクなんて形容される
イギ―・ポップに至ってはパンク嫌いって言ってるし。
因みに彼が局部を露出するみたいなことがあるけど、
本人曰く自分の意志ではなく、たまたま出ちゃったそうだ。
ザ・ストゥージズの大好きな3rdアルバムRaw Power、
邦題は淫力魔人、もう最高にバカげてる。
露出していない個人的に好きなイギーの写真。
これは少し若いけど御年69歳。
では、さいなら。
kojima
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